袋入りラーメン
「すぐ美味しい、すごく美味しい〜♩お湯を入れて、3分待つだけの」チキン・ラーメンはさすがに、私の生まれる以前から販売されていた。
子どもの頃のインスタント食品といえば、袋入りのラーメンが流行りだった。
チキンラーメンにもうひと手間かける袋メンの登場だ。
まずナベで500ccの湯を沸かして、乾メンを3分くらい煮て、茹で上がったら、火を止めてから( ここが大切 )粉末スープを入れる。
乾メンを煮る時に、ハクサイやキャベツなどの野菜を入れて、アレンジできるのが、受けた。
小学生の私も、母が居ない時、台所でこれを作ったものだった。
野菜だけでなく、玉子を入れたり、味付け海苔をトッピングした。
余りにも具を入れすぎて、ドンブリがあふれてそうになった。
これ一杯で、結構、腹がいっぱいになり、夕食との、時間調整が微妙だった。
しかし、化学調味料が身体に悪いとか、塩分が多いとか、食べ過ぎて、母から禁止されたりした。
しかし、禁断の木の実ほど美味しいものだ。
袋メンはスーパーなどで、安売りされたときに買い置きすることが多かった。
だから、みずや、(関西では食品を入れる棚、)にたくさんあった。そこから盗み喰いして、ナベやドンブリも、洗ってキチンと片ずけて置くのだが、バレてしまう。
母は偉大なのである。
その母が、この年末には、お節料理をやめてしまった。 父が亡くなったあとも頑張っていたのに、やっぱりシンドくなった、と言う。
これは甚だ残念だが、歳には勝てない。 だが、好む、好まず、母の味付けは、子どもたちは、覚えているものだ。
たとえ反発して、母の味付けが不味いと、思おうが、やっぱり母が、手ずから食事を作ってくれたことは、今では有り難い。
最近、「食育」という言葉をよく聞くが、そこが話題になるのは、家庭での食事が危機だからであろう。
子どもでも、老人でも、コンビニや外食で個々に好みの物を、時間に合わせて食べられるのは便利で良いが、それで失われたものも大きい。
大家族に戻ることは不可能だし、弊害も多いが、やっぱり、今は、染み染み、懐かしさと暖かさを感じる。
大家族は私の中では否定的な言葉ではない。
最近、野菜が高い。 そこで人参、じゃがいも、タマネギのコンソメ仕立てを作った。男の手料理である。 今回はないがセロリを入れるのもありだ。
暖かくて、美味かった!