S先生喜寿お祝いと忘れ得ぬ事
昨日は、冬期講習を抜け出して、恩師のS先生喜寿のお祝い会に参加させていただいた。
S先生は山形県、鶴岡市のご出身で、兵庫県教員として奉職され、県芦、神戸校長をへて、私立H高校長を最後に昨年、引退なさった。
昨日は連休中でもあり、同級生にもたくさんお会いしたが、その朝のプロ野球、星野仙一氏の早すぎる逝去が、話題になった。
まだ、十余年はあるが、我々の世代も身につまされる話だ。
ちょうど、十年前には、同級生のお一人が病気で早逝してしまった。
Tさんは才能溢れる、若手のハープシコード奏者だったが、五十歳を前にして、亡くなった。
同じクラスになったこともあり、帰りの阪急御影駅まで時々いっしょだった。 彼女もS先生の教え子である。 ウイーンに留学している時も、手紙のやり取りをしていた。
帰国してからは、たまにお会いする程度になったある日、入院している、と聞いたが、お見舞いを辞退されていた。
結局、そのまま他界されて、会えなかった。 今、私の手元には彼女のCDが残るのみである。
昨日も、彼女の話が出て、ひとりが、
「Tさんも、きっとここに来ているよ」
と言った。
ご長寿で健勝なかた、残念にも早逝してしまったひとたち。
その違いはなんだろう?
生きて行く私たちにできるのは、現在の素晴らしい人を賞賛し、
同時に、記憶に残る方の、良き思い出を、たまに語り合い、忘れないことだ。