家族の絆
A君には持病がある。
いつ病気が起こるかもしれないので、小学校や中学も、休み休み通った。
入院などをしながら、高校卒業資格を取った。
今、彼は作業場に通っている。 体調が良い時には、もっと勉強したい気持で、何とか通信大学で学びたいと考えている。
だが、症状を抑える薬を飲むと、ボンヤリして、記憶も薄れてしまう。
私は、昨年から、小学生さんが来るまでの時間、彼と勉強している。一人でバスに乗ってやってくる。
お父様は「 四六時中、見張っているわけにも行かない」
小さい頃から、様々な病院に通ったが、決定的な治療法にはならない。
葛藤ののちに、そういう気持ちに至った、とおっしゃっている。
「本当は、一人で外出は無理だ、風呂だって、そもそも、就寝中に家族が気づかなかったら、どうするのか…」
「…だが、一人で外出もできない生活が息子にとって、どうなのか?」
「もっと重い、病院から出られないひともいる。リスクをおかしてでも、普通に出来るなら、そうさせてやりたい…」
A君ご家族の絆は強い。
普通なら見過すような事も、家族で一緒に考えて、向き合わねばならない。
仕事などでお忙しくとも、待ったなし。 子どもさんと向き合わねばならぬ。
お父様、お母様のご苦労を思うと、私にはおかけする言葉もない。
私はA君とこれからもずっと関わっていきたいと思っている。