田舎教師
おじから、柿が届いた。
いつかも書いたが、今年は、柿が美味い😋
柿だけでなく、梨、ラフランス、も良い。
私など、日曜日には、柿、梨、リンゴとお豆腐で白和えにしていただいている。
おじは、小野市、西脇市など兵庫県の中部で県高校教員として、四十年奉職し、定年後も、20年にわたり豊岡はじめ、丹波、篠山まで非常勤講師として教えていた。
クルマで片道、1時間もかかるのに、2コマくらいの授業でも、通っていた。
定年後は、登山に凝って、百名山などをやっていたので、
「ガソリン代も出んじゃないの、山、やった方がマシじゃないですか?」
と私らが言うと、
「学生に皺寄せすることはできん」
と県内のあちこちに、2、3年前まで教えに行っていた。
その、おじの教え子さんが一家で、丹波で柿を作っていて、そこのを送ってくれたのだ。
さっそく、お礼の電話をした。
「誰が、教え子や、思う?。一番右手の人や」
おじの教え子さんも、早やお孫さんがいるのだ。 おじは笑っていたが、六十年にわたって、高校生を教えるのは、大変だ。
まして、通勤時間がかかる県内中部は尚更だろう。
私の恩師の、S先生などは、県芦、神戸と日の当たる場所を歩いて来た人だ。
一方、おじは、管理職にもならずに、半世紀以上もがんばって来た。
人それぞれだが、ご本人の満足が一番である。
しかし高度経済成長の頃は「教員なんて」というのが、一般的な感じだった。
昔、お盆や正月で一族が集うとき、まだ祖父がいて「月給二十万の仕事」とみんなの前で、盛大に、おじを茶化していた。
反発もせずおじは「私には、充分な仕事ですから…。」
とかわして、分家を何とか、保って、年金の中から教え子の柿やブドウを買って、送ってくれる。
そんな、おじのような、地道な人々のおかげでこの国は成り立ってるのだ。
渋は抜いてあるはずの、柿の実も、私には甘いだけでなく、ホロ苦いものだ。
時、あたかも、日本では、安易に外国人労働者の導入に拍車をかける動きがある。
また、一方、南米からの労働者を追い出す、トランプ共和党が、下院中間選挙で敗北し、米国内の分裂は進むばかりだ。
日本の若者たちも、もっと地道な仕事をして欲しいものだ。 楽な派手な会社ばかりが、人生ではない。
さもないと、日本も、差別しつつ、望まぬ外国人労働者に頼る国になってしまうだろう。