寅さん-弱者の味方

寅さん-弱者の味方

昭和の頃、子どもの映画というと、東映マンガ祭り。 親父に連れて行ってもらうなら、渥美清さん主演の「男はつらいよ」寅さんだった。
子どもの心には、余り面白くなかったが、映画に連れて行ってもらえる、のだから文句は言えなかった。
アイスやジュース、お菓子を買ってもらえるので、何を見ようと良かったのだ。
寅さんは、日本各地をテキ屋ー露店商で転々としてきて、葛飾柴又の叔父、妹らのダンゴ屋に戻ってくる。
もどってきて、いつも家族に迷惑をかける、映画のエピソード的には、ここが一番見せ場だ。
「おい、まくら、さくら取って… イヤ、さくら、まくら取ってくれ〜」お馴染みの枕ギャグ。
人よがりで、傷つきやすく、その上、自己中で、他人の(家族もだけど) 痛みには、鈍感だ。
どうしようもない寅さんだが、 最近の私は、日曜日に酒を飲みながら、寅さんのDVDを見る。役立たずで、寅さん以上にどうしようもなくなってきた。
全部で40作以上、30年にわたり、お盆と正月に封切られた。 美しい日本の田舎の風景が、都会暮らしの身には、郷愁を覚える。
もし、世の中で、人に必要とされることが最高の徳だとしたら、病人、障がい者、老人、そして寅さんは役立たずだろうか?
居てくれるだけでいい、存在することが、別の人を元気づける、そんなことがある。
われわれ人間はみな、か弱く、明日も知らぬ運命なのだ。金持ちも、貧乏人も、健常者も病人も、逃れられない。
とにかく、毎日、毎日を何とか過ごすことが素晴らしい。
自分の至らなさを認め、傲慢から解放されて、他人を信じて生きること。
学生諸君、テストの点が悪かった、なんてどうってことはない。 また、頑張ればいい。 勉強はいつだって、どこだってできるのだから…
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