保久良山の思いで

いよいよ明日は始業式。新しい学校、学年の始まりだ。

残念ながら、満開のサクラは今日の雨で散ってしまいそうだ。
塾が警報で休みを願う人がいたが、それほどではない。
昨日のうちに住吉川のサクラを撮った。 
撮ったあとで、山のサクラもポツポツと咲き始めたのに、気づいた。
岡本の北には保久良山という低い山がある。
なかなか有名で、
日本武命( やまと たけるのみこと)が難破。保久良神社の灯火で難波へ着いた時に詠んだ謠が残る。
「沖の舟人 たよりに思う 灘の一つ火 ありがたや」
高校の友人の家がそのふもとにあった。 もはや住宅地ではなく山の中にあった。
帰宅途中に回り道をして、よく友人の家に寄った。 しばらく話をして住吉川沿いに帰宅する。
毎日のように登った保久良山が、今では遠い。 下から見上げるだけである。
今、歩いても30分ほどだろう。 しかし、もう行くことはないかもしれない。
実際のかかる時間や距離はもはや意味がない。 心が遠く離れてしまったのだろう。
青春の一時期は貴重だ。友といっしょにいた時間は、過ぎてもう還らぬ。
それぞれの現実はたいそう重い。 お互いの家族、仕事、体調に比べたら風に舞う羽のように軽い。
若い皆さんには、4月からの新学年、学校でぜひたくさんの友人と時間を共有してほしい。 今しか得られぬ贅沢なのだから…
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