文楽春公演-吉田玉男襲名
日本橋の国立文楽劇場に行ってきました。
今公演の目玉は、人形遣いの吉田玉男、襲名披露である。
玉女さんが襲名して玉男になるから、女が男にという文字ズラも、面白い。
昨年は住太夫引退の寂しい春公演だったが、今年は喜ばしいことだ。
玉女さんは大阪生まれ、中学卒業後15歳で、すぐに先代玉男に入門している。それから48年目、晴れて、師匠のあとを継ぐ。
大陸的な、息の長い凄まじい修業だ。
人形は三人で動かす。足が十年、左手十年、ようやく本体と右手の修業である。
歌手やタレントでは考えられない本物の芸能の世界だ。
ところで、玉女さんは先代とは、親、親戚でもない。 たった一人、文楽が大好きでここまで来たという。
文楽のこんなところが好きだ。歌舞伎では世襲制が主だ。 実力主義。親子でも、サボったり、下手なら追い越される。
さて、出しものは「一谷嫰軍記」( いちのたに ふたばぐんき )
平家物語でもでてくる、源氏の武将熊谷直実( くまがい なおざね ) が平家の公達、敦盛 ( あつもり ) の命を守るため、自分の息子のクビを差し出す…
親子の情と、主君への義理の板挟みに、苦しむ、悲劇だ。
分かりやすいので、動画サイトで、探してみてください。
阪神電車内でも…