自信がないよ〜。
高校入試の時、面接があることがある。
そんな時、生徒さんたちでも、「自信がない」「上手く話せない」とか聞きます。
私は「面接官の先生たちも、君たちがその高校にふさわしいか、決められる自信なんてない。 大きな声で答えてくればいいのです 」
とか、返事をするが、もう少し丁寧に説明すると、十五才くらいで、親の家に住まわしてもらっている人には、もともと自信などあるわけない。
エ、丁寧な説明ではなかった ?
自信なんて、辛い事、苦しい事を必死に乗り越えて初めてできるものだ。
十五才でそんな経験があるなんて、スポーツの全国大会に出場したとか、歌や踊りでテレビで活動している人たちだろう。
小学校4年生から、毎日5時間勉強して、偏差値65以上の私立中学に通う人も、自分について語る資格があるだろう。
あと、幼くして、親と生別、死別した、地震で死にそうな目にあった、まれな経験もある。
だいたいバイトの一つもして、他人の釜の飯を食って、「あーあ、世間は甘くないわ 」とか経て自立してくるものだろう。
しかし、何もかも苦しい目に遭わないと、いけない、というつもりはない。
中学生で、サッカーのプロ・チームに入っているような選手は、毎日、自分の一番好きなことをやってるのだから、それほど辛いと思ってないだろう。
逆に試合でシュートを決めた時は、心地よい達成感を味わうだろう。
だから、本来、中学3年生に、「自信を持って面接を受けてきなさい」とか、面接の指導をするのが、おかしい。
ふつうの中学生では、自信を持ってとか、まだまだ経験不足である。
また、我々、大人にしても、やりたい事、好きな事で、メシを食っているだろうか?
だいたいの大人たちは、月曜日に、会社なり行くのは、気が重いものだ。 好きな事で、稼いで生活してる人は少ない。
みんな、多少は嫌々、まあ出社してしまえば、それなりのヤル気はでてくるのだろう。
だが、おカネを稼ぐ為の仕事ばかりでは、自信なんてなかなか出来ない。
そうすると、ふつうの大人でさえ、自信を持って語れることは、なかなかなさそうだ。
だから、そんな大人にしても、十五才の中学生に、自信について教える資格はないだろうし、彼らに「自信を持って面接を受けなさい、」なんてウソ臭い。
ボクだって、六十前の、ジジイだがまだ「日々、これで良かったかな?」と思う。 週に一度ほど「ヤッタゼ、ベイビー!」( 古いですか? )という日があるかどうかだ。
むしろ、ああすればよかった、こうしたらどうだったろう、日々、これ、後悔と反省だ。
「もう1時間粘っても、これくらいしか出来ないから… 」とか、納得というか、諦めて、日を送ることが多い。
若い人には、「自信のある振りをしましょう、それなりの覚悟があるように見てもらえるかも… 」
とアドバイスをするのが、自分にも誠実と言えるかもしれない。
自信は好きな事を、苦労してやり遂げると、できる。
生活の糧を得る仕事ばかりでは、辛い思いはあるが、余り自信に繋がらない。