わかりません!

わかりません!

小学校低学年の生徒さんがいらっしゃる。

困るのは、すぐ「わからない」を連発して、答えをほしがることだ。

「わからない」と言えるのは良いことだ。 だが、それが「考えるの、面倒だから、答えを教えて!」では困ってしまう。

見てみると、身の回りも、テレビ番組はじめ、自分で考える、というのから、ほど遠い。

テレビでもユーチューブでも面白くなければ、すぐ違うチャンネル、動画がある。

「我慢、なんて、いつの言葉ですか? 」というわけだ。

今のワークも、教科書すら横に置く必要がなく「まとめ」や「前説」のページを見ると、どこかに答えがある。

また、そういう昨今の風潮に、おもねって、公文、ソロバンなど、伝統的な地域の自立学習教室が、本部の意向もあるのか、クイズ形式に陥っている。

タブレットを利用して、視覚、音声を刺激する。 ステップの短縮で、毎月のように昇級して、子どもたちに過度な報酬を与えてる。

わたしも、子どもの頃、書道やソロバンはひと通りやったが、昇級なんて、一年一度あるかないかだった。

以前は、私立中学受験の教室でも、小学4年生から、国語など、じっくり読ませて、1週間与えて要約をさせていた。

その先生は、大手の教室に勤めて、作文が入試にない中学を受験する生徒さんでも、長文読解→ 要約 → 自由作文 をやっていた。

これをやると、6年生になってからの、伸びが違うのだが、やはり目にすぐ見えない。

保護者さまに、アピールしないため縮小傾向である、そうだ。

3年後くらいから、大学入試でも、知識より思考力重視型に、かわる。

覚えるだけでなく、考える授業に協力してほしい。

例えば、
40人のクラスで、18人の男子がいます。女子は何人ですか?

こういう問題は、引き算の、技術、スキルを問うている。 公文、ソロバンの得意分野である。

しかし、
40人のクラスで、18人の男子がいます。女子は22人です。 これを式で表わしなさい。

答えは書いてある!

正解は、
40ー18=22、
40ー22=18、
18+22= 40、
のどれでも正解だ。3通り書ければ一番いい。

つまり、
18+ 女子 X = 40
の関係がわかればいいのだ。

今こそ、世間の流れに棹差して、生徒さんの「わからない」攻撃をかわし、
「勉強なんて、時間をかけて、するもんやで〜」
のじっくりリズムを、ご指導せねばと覚悟している。