どじょう鍋

どじょう鍋

お盆に靖國神社にお参りしたとき、浅草で、どじょう鍋を食べて来た。
子どもの頃、昭和40年代はじめでも、まだ、どじょうやイナゴは代用食だった。
しかし、これは美味いものではなく、どじょうは、泥臭く、骨ボネしかった。
新幹線が開通して、3時間半で東京に行けるようになり、その頃から、祖母が靖国神社に毎年、お参りするようになった。
「o o 兄さんのお参りをさせたい」ひとりでは難しい東京旅行の言い訳に、孫を連れて行くことにした。
大人にご挨拶が上手な私がお供に、選ばれることが多かった。 
泊まるのは、知り合いの家や下町の旅館だった。
浅草あたりの、ソバやお寿司などの食堂によく行った。 その時のどじょう鍋は美味しかった。
どじょう自体が骨も泥臭さもない。
甘辛く煮て、ゴボウやネギを合わせて、卵でとじる、柳川鍋はいくらでも御飯が食べられた。
靖国神社にお参りして、いささか心に重みを感じて、ご供養のお下がりのように食べる、どじょう鍋の味は相変わらず、甘辛い。
今はもう、米飯ではなく、酒を飲む。 ゆっくり飲む。
そして、来し方行く末を想うと、若くして散華した英霊や亡き祖母がそこに居るようだ。
窓の外の隅田川。遊覧船の灯りが精霊流しのようだ。 お盆だな、と思う。
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