町の書店の危機と格差社会

今回は真面目な話だ。

3月6日、「阪急電車」などの小説の作家、有川浩さんが「リアル書店が危ない」というアピールをした。
主旨はこうだ。

……今回の書店回りで、出版社が動いてくれるのを待っているだけじゃ駄目だ、と痛感しました。誰かが動いてくれるのを待っている間に、最前線で本を売ってくれている書店さんは、どんどん消耗を強いられているのです。

汚損扱いになってしまうサイン本を引き受けるのは勇気がいることなのに、それでも「これだけサインしてください、売りますから」と何十冊も、何百冊も新刊を積み上げてくれる書店さんがたくさんありました。

誰かがやってくれるのを待っている場合じゃない、自分が動かなくてはと思いました。

「新刊書店で読者さんが本を買ってくださることが、まだ見ぬ未来の作家や本に繋がるのです」ということを、誰かを待たずに自分が発信するべきだと思いました。支えてくれる書店さんだけを最前線で戦わせていてはいけないと……

私もこれは、もう痛感している。 以前は、阪神御影駅の南側、左手のビルの地下に「宝盛館書店」があった。
今はクラッセのメトロ書店があり不自由を感じないかもしれない。 しかし、ジュンク堂、はじめ大きな書店でも突然閉店が各地で起こっている。
また、アマゾンなどネット通販の影響も大きい。 昨年のアマゾンの全世界の売り上げは9兆円。従業員はたったの6万人だ。 
もし効率が良くない昔ながらの家族経営で同じ売り上げをあげるとしたら、100万人の雇用が必要だ。
つまり、アマゾンは94万人分の賃金を払わず利益にし、その税金も十分に払っていない。
しかし、これは公正だろうか?  技術革新のおかげで可能な事なら、何でも、実行していいのだろうか?
いくら非効率と言っても、家族経営の書店の店員は働いている!
そしてその賃金は地元の飲食店、小売り店を支え、地域社会を作っている。
カナダのトロントではチェーン店が出店できない、小規模店専用地区が制定された。
町の書店を守ることは、地域社会をグローバルで過激な競争や、急激な技術革新から保護する象徴である。
非効率についていくらか、寛容になる必要がある。
既得権益には反対だが、地域社会は守りたい。 
働き、住み、学び、遊ぶ。 生まれて、暮し、死を迎える。
弱者に、子どもに、老人に優しい地域を、地域自身で作る。
東京にだけ豊かさが、集中する日本は間違っている。 アメリカにだけ富みが集中する世界も間違っている。
そして、経済問題は政治問題になりつつある。 
アメリカの大統領選挙が近い。 当選までの選挙資金は今回の予備選だけで70億円かかった。
前回の大統領選挙では民主、共和両党でトータル3000億円使った。
アメリカの最高裁が選挙献金の上限を外し「選挙資金をいくら使おうと、国民の投票に影響を与えない」と判断したからだ。
不動産王のドナルド・トランプは自分のカネでまかなうと言っている。大統領をカネで買える時代になったのだ。
日本でも夏の参議院選挙は、衆議院解散でのダブル選挙になるだろう。
幸い、6月から18歳以上の選挙権が認められる。  若い皆さんには自分たちの差し迫る問題ととらえ、選挙で意思表示をして欲しい。
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