YouTubeは儲かるの?

先月十月末はラグビーワールドカップで日本がベスト8進出。 野球の日本シリーズでソフトバンク優勝と娯楽が多かった。
もともと日本ではスポーツと言うと野球とサッカーであったが、今またそれにラグビーが加わって実に賑やかなことである。
しかし小・中学生の諸君の誰彼なしに野球や Jリーグで飯が食えるわけではない。
今から100年前ヘンリーフォードが偉かったのは、自動車の大衆化を進め、労働者の賃金を大幅に引き上げて、自分が組み立てた自動車を工場で 一年ほど働くことで買えるようにしたことである。
つまり消費者と生産者をセットで育てるようにしたわけだ。 だから自動車工場がフル生産で大量過ぎる自動車を作ったとしても、その売り上げは利益は労働者の懐に多く入るので、また自動車が売れる。
労働者が集まる企業城下町でも景気が良くなって商店街や飲食店の売上が増える。その人たちがまた新車を購入するという良い循環が生まれるのである。
ヘンリーフォードの伝記などを読むと随分けちん坊で、嫌な社長さんのようだが、このビジネスモデル は正しかったと言わざるを得ない。
 翻ってニュースで、子供のなりたい職業の3位とか4位に YouTuber が入ってるということだ。 
「YouTuber なんて!」気分的にはふざけた職業だ。

1万回再生してもらうのは難しい。全体の3%である。ウキぺディアより。)

などという以外に、トップ1%ほどのユーチューバーが90%以上のチャンネル登録を占めており、 上位3%でなんとか生活していける程度。
その他の95%以下は趣味程度に YouTube をやってにすぎないから、YouTubeでの成功っていうのは、例えば芸能界に入るのと同じような確率でしかありえない 。
YouTube の所有会社の Google は収入広告収入の55%を製作者であるユーチューバーに還元していると Web で宣言している。
一人一人のユーチューバーの収入ははっきりとしないが1再生で0.1セント、約0.1円ということらしい。
毎日一本の10分程度の動画を投稿するとして、初日に10万回再生を達成して100ドル、一万円。
1年365日で4万ドル弱=約400万円の収入になるらしい。 それから過去のアーカイブの再生がじわじわ倍程度あるから、上位ユーチューバーの収入は年収800万円程度となる。
しかしながら毎日毎日10分程度の面白い動画を作るっていうのは大変だ。
一人では無理だから、数人のチームで、企画、取材、撮影、編集して、一人のキャラクターを動かさねばならない。
一人当たりの収入は、百万円くらいになってしまう。甘い仕事ではないのである。
かつてのフォード自動車会社は、1916年、1台のクルマを360ドル売ったが、そのうち材料が180ドル、残る180ドルのうち74ドルが労働者に、利益は126ドルだった。

フォードの考えでは、クルマの値段は1910年の960ドルから1916年に360ドル!誰でも買える大衆化し、
一方、労働者の賃金は 時給0.25 ドルから0.5ドルに上げた。 
社会全体としてクルマを買い易くした。

クルマの値段は、960ドルから360ドルへ安くなった。時給は0.25ドルから 0.54へ上昇した。

Googleが、世界でたった数十人程度のYouTuber に何十億円を稼がせるのは、やっぱり格差社会といわねばなるまい。
スマホの向こう側では幸運なYouTuber が、スマホのこちら側では、一日疲れて、ボーっと画面を眺める一般大衆。
少なくとも100年前の 自動車産業で、初めて国民の一人当たり一日5ドル、アメリカのインフレ率は最近100年で約20倍になったから、一日100ドルを保証した。

インフレ率は約20倍

フォードの労働者がかって年収3万ドル稼げた時間給は、その後多くの中流階級を生み出した。
豊かな国、アメリカでは、中流層は、プール付き一戸建て、3人の子供と専業主婦が標準となった。
働くのは、オヤジ一人で十分だった。
そのアメリカでは、YouTubeなど、大企業はかって、フォード自動車のやり方に逆行。 一握りの富を億万長者に与えて、貧困が生み出されている。 
比べてみるとどちらが人間にとって望ましい時代かすぐにわかってしまうのは残念なことだ。

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