S先生の思い出

前回、若いKさんに古典の世界を紹介したが、私が古典芸能に興味を持つきっかけは恩師のS先生である。
S先生は山形の鶴岡のご出身だ。 「農家の末っ子と生まれ、郷里に留まれない運命」を悟り、東京教育大学 ( 現在の筑波大学 ) 卒業。
小西甚一先生門下、国文学を修められた。
兵庫県教員に奉職。 県芦から神戸へ転任されて、お会いした。 爾来、40年のお付き合いをいただいている。
神戸校長をへて今は、高砂の私立H高校の校長を務めていらっしゃる。
今年は1月11日に国立文楽劇場でお会いした。 9(土) 授業、10( 日 )職員会議、11( 祝 )もお昼は出勤してようやく文楽と… ご多忙である。
さすが、東北人、先生は粘り強いのである。 
しかし、私たち生徒には褒めて伸ばす、を実践してくださった。
「伊勢 (物語 ) を通読したの学年で初めてだよ」おだてられて、また、読書。
こちらは受験勉強から小説に逃避しているに過ぎない。
S先生には教えていただくばかりのお付き合いだ。
私も若い生徒らにS先生の一万分の一でも、勉強の楽しみを伝えることができれば、そんな幸せなことはない、と今、考えている。
さて、国立文楽劇場、4月は「妹背山女庭訓」 盲目の天皇は「リア王」を、仲違いする両家の息子と娘の悲恋は「ロミオとジュリエット」を連想させる。
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